にのだん社会保険労務士事務所

人と人をつなぐ「たすき」となり

人事労務管理全般をサポートします

にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和4年5月号(No.30)

【「たすき」今回でNo.30となりました】

 令和元年11月に「にのだん社会保険労務士事務所」を開業しましたが、翌月から事務所だよりの発行が始まり、今回でNo.30となりました。「たすき」という名前は、人と人をつなぐ襷(たすき)のように、にのだん社会保険労務士事務所が事業所様、そして事業所様を支える従業員様と襷のように繋がり続けたいという願いを込めて、そして駅伝(ランニング)で頑張る息子を応援したい気持ちからこの名前で発行を続けさせていただいております。

 最初は、有料の事務所だよりネタをコピーペーストして開始しましたが、途中からは「自分のことばで伝えよう」という気持ちから、最新の法改正情報や過去の仕事経験などの話が中心となっておりますが、基本的には趣味や興味のあることも自由に伝えていきたいと考えており、内容も完全オリジナルのためホームページにも公開させていただいております。これからもご一読いただければ大変嬉しいと感じます。

 さて今回のお話ですが、私は和歌山県社会保険労務士会の中支部に所属しており、昨年から総務委員長を担当させていただいております。様々な仕事がある中で年に一度6月に支部の通常総会が開催されるのですが、議案書作成の取りまとめも総務委員長の重要な仕事となっており、今回初めて毎年対応していただいている印刷業者さんと最終原稿のやり取りを行ったのですが、こちらから依頼したデータに対して、結構アレンジされた校正が届いたので「私が送ったデータのページ構成で基本的に進めて欲しかったのですが・・・」と伝えると「バランスを考えてアレンジしている」とか「印刷業界ではこのページ構成が基本」など「最終的にどうしてもこうやって欲しい!というなら対応しますけど」と違和感あるやり取りを経験しました。

 私からすれば見やすい内容を第一に考えたつもりでしたが、印刷業者さんからすれば業界の考え方と合わない部分があったようで、一部は印刷業者さんの言う通りに変更、そして残りは私が希望していたレイアウトにしていただくという形で決着しました。私は印刷のプロではないので、今回の印刷業者さんの主張や考え方のほうが正しかったかもしれませんが「このやり方が常識である」とか「今までもこれでやってきたから正しい」という主張は、私の仕事に置き換えた場合、注意しなければならない表現であると感じました。

 これから社労士の仕事をしながら年月を積み重ねていく中、自分の気付かないところで考えが固執されて先入観が強くなる可能性があります。相手の意見に耳を傾けることなく自分の意見や考え、経験ばかりを強調すると相手を不快にさせて「上から目線」と思われるかもしれません。答えには「絶対」ばかりがある訳ではないことを常に意識し「ダイバーシティ」の視点で仕事を行っていかなければならないと今回改めて感じました。これからも「たすき」では、自分が「今伝えたい」と感じる情報などを自然にお伝えすることができればと思っていますので今後もよろしくお願いします。

【4630万円誤送金のニュースを聞いて】

 最近、給付金10万円を463世帯に振り込むはずが誤って1世帯に4630万円振り込まれ、さらに返還に応じてくれないニュースが話題になっています。先日ラジオのニュースでもこの話題について伝えられていましたが、返還に応じようとしない件についてはさて置き、今回の問題点はふたつ「誤った振込みを行った人為的ミス」と「一度は返還に応じると相手が言った時にスピーディーな対応を行わなかったために相手が返還しないという状況に悪化してしまったミス」であることが取り上げられていました。

 そのニュースを聞きながら、私がかつて勤めていたスーパーでの勤務1年目の時の苦い体験を思い出しました。あの頃、私は牛乳や卵、豆腐、練り物、こんにゃくなどの日配部門、さらに魚の干物類の塩干部門を担当していましたが、夜の8時前にもうすぐ帰ろうと急いでいたところ、お客様から「今日購入したちりめんの味がおかしい。古いのではないか?」というクレームの電話が入り対応しました。「すみません」とまずは謝り「代わりの商品持っていきます」と言ったものの、お客様から「今日はもう遅いし、また明日も買い物に行くからその時対応して」と返答されました。周りに相談する人がなく、早く帰りたい気持ちとお客様の言葉についつい甘えて「ありがとうございます。すみませんが、明日お越しください」と伝えてその日の対応を終わらせました。

 しかし、翌日そのお客様が来店された時「どうして昨日、対応してくれなかったんだ」と血相を変えて激怒される結果となりました。私も新人であったため「昨日、お客様から今日は遅いからもういい」と言われたからと言い訳のように説明すると「それでも来るのが誠意だろう」と対応が悪いと言われ、私も含め店長も頭を下げて謝る結果となりました。その時の経験から私は退職するまでの8年間、クレームが入った時は必ずその日のうちにお客様のところに伺うというスタンスを貫くようになりました。中には、店側に責任があるかどうか疑わしい理不尽なクレームもありましたが、代わりとなる商品を持って行き謝罪に伺うと、ほとんどのお客様は納得された様子でした。時間帯によっては夜の場合もあったので、お客様の家が見つけられないこともありましたが「真っ暗なんで、すみませんが家の前で立っていただけます?」と電話でお願いすることも多々ありました。それでもお客様からは「わざわざ来てくれてありがとう」と少なからず謝罪に対する誠意を伝えることが出来たのかもしれません。

 今回のニュースを聞きながら、スピーディーな対応の重要性をあらためて感じさせられました。私も過去の失敗があったため今に活かされていると思います。しかし「面倒くさいことは今日中に必ず解決させたい」と急ぎすぎるとうわべ的な謝罪として相手に悪い印象を与える場合もあるので、時には慎重かつじっくりと焦らないことが必要かもしれません。私のように失敗して成長することもひとつの方法かもしれませんが、日頃からスタッフ一人で解決しようとすることなく、周りに相談できる環境づくりや全員の共通意識として対応マニュアルの作成やトレーニングなどにより、もしもの場合に備えた個々の対応能力が高まり、結果として会社やお店の評価につながるのかもしれません。

~最後までお読みいただきありがとうございました~